着物に似合う扇子
2017.05.23

扇子のイラスト

着物に似合う扇子は、着物の柄に合わせて選ぶのが粋ですが、着物も扇子も無尽蔵にあるので、取り合わせも様々です。まずは、着物の種類に応じた扇子を選ぶことが大切です。
結婚式など祝宴に参列した人が使う扇子は「末広」といって、涼をとるためのものではなく、基本、広げず、たたんだままで使う飾り扇子です。扇面は、表が金、裏が銀となっています。花嫁は、白無垢の衣装であれば、白骨の扇子を使い、振り袖や刷き振り袖を着れば、黒骨も使用することができます。また、両者とも他の扇子とは比べものにならい程の房がさがりますから、白骨であれ黒骨であれ、房を付けるための丸カンがついています。なお、帯にさすときは、金色の紙が見えるようにします。普通は2㎝くらい出して左側にさしますが、花嫁の末広は長いので、襟の角度に合わせて、やや長めに出して、左側に斜めにさします。
留袖や色留袖で使う扇子も、表が金、裏が銀の「末広」を紙の方が見えるように2㎝くらい出して、襟の角度に合わせて斜めに帯の左側にさします。俗に、花嫁の母や新郎の母、姉妹といった主役の側は、金色を見せて、お呼ばれの方は、銀色の側を見せるとされています。色留袖の場合は、黒留袖と違って、着物の華やかさに準じて、白骨金銀地紙やおめでたい松竹梅の手蒔絵を使ったりもします。
訪問着や付下げの時には、色蒔絵扇子をはじめ、漉いた和紙にあずきや香色、朱鷺色などを染め抜いた無地の扇子など、好みの柄や親骨の飾りを付けた扇子を帯にさすなり、手提げ袋に入れるなりして持ち歩きます。色無地の場合には、白骨か黒蒔絵、竹扇、竹蒔絵などを使います。紬や普段着の場合には、花柄をあしらった竹扇や中骨が太くて少なく卵形に開く変わり扇子など、扇子の中でも普段に使うものを選び使います。
また、お茶の稽古に出かける際には、男性18㎝、女性15㎝という小ぶりの茶扇子を用意します。この扇子は、茶道では、欠かすことのできない必須アイテムですが、決して開くことはありません。一説には、帯刀を許されないお茶室での刀の代わりとも言われる大事なものです。あいさつの際に使い、自分の前に置くことで、ある種の結界を作り、境目をはっきりさせて、礼をします。その年の干支を描いた、羊七宝、親子鶏などの絵柄もありますが、蘭流水のように1年中使える絵柄のものを選ぶのも一方法です。
なお、喪の場合には、黒骨、黒地に黒地紙の扇子を用意します。
これに比べて男性の祝扇は、四季を問わず裏表真っ白な竹骨の白扇とされています。謡曲をされる方は、どの曲にも合うように、金色地紙に紺、朱、萌の三色や白、茶を加えた五色の筋霞が描かれた扇子を使います。いずれも女性に比べて帯び幅が短いので、女性より角度をつけてさすことになりますが、刀の代わりという説もあります。

▲ ページトップへ