扇子のデザイン
2017.05.23

ピンクの扇子

古典的なデザインから現代的なデザインまで、様々な色合いや柄の扇子が、販売されています。互いのデザインの優劣を競い合うというよりも、むしろ、逆に、どれを選ぶかという、買い手側の美的センスが問われているとも言えます。
那須与一が、波間に揺れる船の上に立てられた扇子を見事に射貫き、夕日にキラキラと輝きながら波間へと落ちていった扇子のデザインは、紅地に金色の日輪だったとされています。白地に赤の日の丸を描くデザインは、最もシンプルで、すっきりまとまった代表格のデザインです。オリンピックやワールド大会での応援には、欠かせないアイテムでもあります。同じように、お祭りの扇子も、赤か青を背景に、黒色もくっきりと「祭」の一文字が定番です。下面に波模様や鎖模様を入れることもありますが、黒々と「祭」の文字が浮かび上がるように工夫された、変わることのないデザインです。
また、トンボをあしらったデザインもよく見られます。トンボは、決して後ろ向きには飛ばず、いつも前向きに飛ぶところから、戦国武将達に「勝ち虫」という縁起のよい虫だとされました。それで、好んで兜や扇子に取り入れられました。現代でも、「前進」や「上昇」をイメージさせる、前向きにしか飛ばない虫として、商売繁盛や販売促進の験担ぎの扇子として使われています。
こうした昔からのデザインも生かしながら、時代に合ったデザインの扇子が販売されています。扇子という商品の性質からか、扇子の製造販売をしている所は、京都に多く見られます。従って、京都の名所をモチーフにしたデザインの扇子も多く、和装にも洋装にも、また男女を問わず使えるデザインです。金箔がちりばめられた金閣、竹林をモチーフに深い緑色が印象的な嵯峨、川の流れや鮎の姿をデザイン化した嵐山などは、現代的なデザインの扇子です。
逆に、流水、緑竹、波千鳥、カモメ、笹にトンボといった古典的な絵柄は、いかにも涼しげで、涼を呼び込む扇子の働きを一層深めています。さらに、紫紺、灰桜、紺青、千歳緑、黒橡といった日本の色を使った無地のものもあります。
無地のデザインでは、中骨に透かし彫りを施した上に、扇面には透けた材質の布地を使って、上面だけを別の色で刷毛塗りするというシンプルで透明度のある分、涼を呼び込むようなすっきりとしたデザインもあります。
また、くまモンなどのキャラクターを使ったり、紙張りの特徴を生かして、写真や印刷物で扇面を作ったりするものもあるなど、古典から現代まで、多種多様にデザインされた扇子が販売されています。レザーを使って名前入れもできるので、父の日や母の日のプレゼントとして、またしゃれたギフトとして、お気に入りの扇子を探してみてはどうでしょうか。

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